被写体に近づいて写真を撮ると、なんだか歪んだ写真になりませんか?
例えば、魚眼レンズで犬を撮影した写真をイメージしてみてください。犬の鼻は大きく写っていますが、その他の部分は歪んでますよね?
あえてこういう効果を狙って撮影するなら問題ありません。なんだか可愛らしい感じの写真になりますからね。
でも、歪ませたくないのに歪んでしまうのであれば、解決法を知っていて損はありません。
特に難しいことはありません。広角ではなく、望遠で撮影すると歪みを軽減させることが出来ます。
広角で撮影した写真(歪みあり)
広角で撮影すると歪む。望遠で撮影すると歪みが減る。といっても、なかなかイメージしづらいものです。
ですので、作例写真とともに解説していきます。文字よりビジュアルのほうが、伝わりやすいと思います。
はい。こちらがチロルチョコを広角(ズームしていない状態)で撮影した写真です。
チロルチョコタワーの頂上から下に行くに連れて、キューッっとパースがかかって歪んでいるのがわかると思います。
この程度なら問題ないかもしれませんが、あまり歪みすぎる良くありません。人間の目で見た自然な状態ではないので、違和感がでてきます。
そういった場合は、望遠(ズーム)にして撮影すると歪みが軽減できます。
望遠で撮影した写真(歪み軽減)
先ほどのチロルチョコタワーを望遠(限界までズームした状態)で撮影した写真です。
歪みが減っているのがわかりますね。広角で撮影した写真より、チロルチョコが垂直に立っているように見えます。はい、これで歪みを軽減する方法習得です。
歪みを軽減するには、望遠にして撮影する。それだけです。
ただ、どうして望遠で撮影すると歪みが減るのかという理屈を知っておくと、雑談のネタになります。知らなくても、歪みを軽減した写真は撮影できますから、何の問題もありません。
ですので、以下の文章は雑学として知っておこうかなという程度で読んでみてください。
なぜ望遠にすると歪みが減るのか?その理由は「圧縮効果」
カメラはレンズの違い(広角⇔望遠)によって、撮影できる範囲(画角)が違います。
例えば、同じ場所から1m先のモデルさんを撮影するとします。広角レンズで撮影した写真にはモデルも写ってますし、後ろの背景も写っています。
一方、望遠レンズで撮影した写真には、画面いっぱいにモデルが写ります。望遠レンズはいわゆるズーム状態で撮影しているので、被写体が画面いっぱいに写つるわけです。
ですので、望遠レンズで撮影した写真に写るモデルを、広角レンズで撮影した写真に写るモデルと同じ大きさにするには、撮影場所をかなり後ろに変更して撮影しなければなりません。
すると、背景がグッと圧縮され、まるで平行投影図のような写真になります。遠近感によるパースがほぼなくなってしまいます。これが「圧縮効果」です。
この圧縮効果のために、望遠で撮影すると歪み(パース)が軽減されるわけです。
繰り返しになりますが、歪みの理屈なんてしらなくても、歪みを少なくした写真は撮れます。逆に、意図的に歪みを強めた写真も撮れます。
なので、圧縮効果の理屈は知っていても知っていなくても、どっちでもいいです。
まとめ
- 広角で被写体に近づいて撮影すると歪みが発生する
- 歪みは望遠で撮影すると軽減できる
以上です。
知っておくと便利程度のことです。歪みを気にして写真が取れなくなってしまっては、元も子もありません。歪んだ写真が悪いってわけではないですからね。
むしろ、全く歪みがない写真は不自然です。多少歪んでいたほうが、人間の見た目と近い写真に仕上がります。
知識は後づけでOKです。まずはパシャパシャ写真を撮りましょう!